スカサカ!ライブNEWS「【1/19放送】石川直宏が語るFC東京展望 / 石川直宏と岩政の本音トーク / 鈴木隆行の現役生活を振り返る」

スカサカ!ライブNEWS2018/01/26 17:35
【1/19放送】石川直宏が語るFC東京展望 / 石川直宏と岩政の本音トーク / 鈴木隆行の現役生活を振り返る

 1月19日放送の#41では、岩政大樹(東京ユナイテッドFC)がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く!」~鈴木隆行・石川直宏~を放送。石川直宏氏が、昨季まで選手として在籍し、引退した今季からはクラブコミュニケーター(以下CC)という役職を務めるFC東京の2018シーズンを展望など、同級生・岩政と本音トークを展開。さらにもう一人のゲストである元日本代表FW鈴木隆行氏も加わり、石川直宏氏、MCを務めた大杉亜依里副編集長も交えて、鈴木氏の現役生活を振り返った。


●今季から裏方でFC東京支える石川直宏、新生チームを語る「不思議な練習を…」
●引退した石川直宏が同級生・岩政と本音トーク、現役時の思い出は「美しくはないかな(笑)」
●鈴木隆行が自身のサッカー人生を振り返る「W杯のゴールは思い出しもしない」



●今季から裏方でFC東京支える石川直宏、新生チームを語る「不思議な練習を…」


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 長谷川健太新監督を迎え入れたFC東京だが、新加入選手はアカデミーから昇格した2人、大卒の新人1人を含めた6人とやや控えめな印象。これについて石川CCは「(大型補強をした)昨年のイメージが強かったと思う」と断りを入れた上で「大森(晃太郎)は元ガンバ大阪で健太監督のサッカーを知っていますし、的確な補強をする中で、今いる選手との融合を考えていると思います」と語った。


 補強は富樫敬真(横浜F・マリノスから期限付き移籍)、ディエゴ・オリヴェイラ(柏レイソルから期限付き移籍)ら前線の選手が中心となったが、石川CCはその狙いを「一つの“形”を作りたい」ためだと分析した。


「昨年はたくさんの特徴を持った選手がいた中で、どうやって攻撃するのかという軸が、メンバーの変更とともに変わってしまった。一つの軸をしっかり作った上で(攻撃を)構築していく狙いだと思います。補強に守備の選手はいませんが、今の守備をしっかりしながら攻撃の形を作っていくことが、勝利のきっかけになるんじゃないかなと。(攻撃については)パターンというか、『FC東京の攻撃はこんなスタイルだからイヤだよね』という形を作りたい。長谷川監督が伝えようとしているアグレッシブさ、積極性、勝利への欲求をグラウンドで見せてくれるはず。そういう期待を感じるし、その姿を見たいです」


 チームは1月13日に小平グラウンドで始動。石川CCもピッチでトレーニングを見守ったが、その時の印象を次のように語った。


「非常にテンポがよく、コミュニケーションも取れていました。ウチはおとなしいと言われるんですが、ピリッとした雰囲気の中でどれだけお互いを厳しくできるかという部分が足りないと自覚しながらチャレンジしてくれているんで、そこは期待しています」


 長谷川新監督に対しては「今のFC東京に必要なことを一番分かっていて、それをグラウンドで出そうとしてくれている」と期待を寄せており、指導する姿を間近で見て、次のように感想を語った。


「規律を重んじていますね。『挨拶をする』とか『ガムを噛まない』とか何カ条か挙げていて、基本的なことなんですが、そこからしっかりチームとして形を作っていこうというのが見えるので、変化を感じます。それが基準となって、基盤となって成長につながると思います。(練習メニューは)一つひとつが、集中力がないと続かないようなメニューですね。けっこうプレーを止めて指導してくれるんですが、途切れている感じはないという不思議なトレーニング。流れがいいスムーズな練習でした」


 自身の新たな役職である「クラブコミュニケーター」については、就任した理由とその役割についてこう語っている。


「FC東京でプレーした中で、このクラブが必要としてきたもの、僕自身も課題にしてきたこととして、コミュニケーションを図るうえで積極的に相手のことをリスペクトしながら、自分たちの目指すところに向けてお互いに厳しく求め合わなければならないなと。僕はもうプレーできないので、コミュニケーションを通じてクラブを良くしていこうと。チームの中だけでなく、外の人たちとも関係を持ちながら、いいものを取り入れてお互いに成長し合えるクラブの関係性、成長を作りたいと思って就任しました」


 今後はどのような活動をしていく予定なのだろうか。


「今までよりフロント寄り、会社寄りの立場になるんですが、現場で起きていることや現場の意見を自分で感じ、選手やコーチングスタッフとコミュニケーションを取りながら(両者を)繋げていきたい。そこを一つのモデルケースとして、クラブ内に色々な部署があるので、それを繋げていきたいと思っています」



●引退した石川直宏が同級生・岩政と本音トーク、現役時の思い出は「美しくはないかな(笑)」


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 二人は学年で言えば同級生。和やかな雰囲気の中、石川が引退するに至った経緯やFC東京について、そして2018年から新たに就任したクラブコミュニケーターという役職について語った。


岩政:引退されて少し時間が経ちましたけど、噂では色々なところで少しゆっくりする時間も作っていると聞きました。


石川:知ってるね(笑)。


岩政:その中で今、現役時代を振り返って思うことはありますか?


石川:本当に出し切った、やり切ったという感覚が自分の中であって、その部分で言うと、なんかこうきっぱりというか、膝もちょっと痛みもあるし、サッカーできる感覚という意識にももうならないから。逆に次に向けての切り替えができているかなと思います。


岩政:最後、2日連続で試合をした(2017年12月2日のJ1最終節、3日のJ3最終節)なんですよね。その後、膝がめちゃくちゃ痛くなったとか。


石川:そう、膝がめちゃくちゃ痛くて、水も溜まっちゃって。まあ「この後どうなってもいいや」という覚悟で臨んで。やっぱりそれだけのものをピッチで表現したかったのもあるし、その準備もした中で出し尽くしたという感覚ですかね。


岩政:半年前ぐらいですかね、引退を発表したのが。


石川:8月2日でしたね。


岩政:そこに至るまでの色々な、どのタイミングでとか、もちろん決断について色々あったと思いますけど、色々な発表の仕方ってあるじゃないですか。最後まで発表しないのもあるし。そこは自分でどのように考えたんですか?


石川:今回の引退のきっかけとなったケガでいうと、2015年8月にフランクフルトで親善試合があって、その時に膝を(ケガした)。2009年にも一度膝をケガして、オペ(手術)しないでそのままやっていたんですけど、結局2015年にじん帯が完全に切れちゃって、そこからリハビリで2年半かかっちゃって。その間、J3で2試合に出たりはしていたんですけど、自分の中では2016年に、プレーできない中で選手でいる価値はないと僕は思っていたし、クラブにもその話をしっかり伝えた中で、クラブとしては『ピッチに立つ姿をファン・サポーターが待ってくれているから、そこでしっかりと見せて、それから引退でもいいんじゃないか』と。それで自分ではもう1年、とにかくピッチに立つことだけを考えて。ピッチに立てば多分色々な感情も生まれるし、そこの部分に自分も期待しながら。本当にリハビリはしんどかったですけど、ピッチに立ってその姿を見せるということだけを考えて。


岩政:その覚悟を自分で決めるためにもあそこで(引退を)発表して、最後に出るという。


石川:そう。だから結構なプレッシャーで、自分の中では決断して、この時もスッキリしていたんだけど、だけど自分としてもずっとリハビリしている中でプレーできない、だけどクラブ、選手に対しても責任をより持つ中で言葉として伝えたい。その時はプレーに責任を乗せるわけにはいかないんで、言葉で伝えることによって、自分の気持ちとみんなの気持ちを一つにして。で、引退をするからみんな頑張ってくれ、じゃなくて、こういう生き様でこういうふうにプレーしている選手がいるというのを、自分にもそうだしチームメートにもそうだし、スタッフやファン・サポーターに覚悟を伝えたうえで、最後に出し切ろうと。


岩政:内田(篤人/鹿島アントラーズ)選手の話にも出ていましたけど、膝のケガってなかなか戻れそうで戻れない部分ってあるじゃないですか。ここって、何が難しいんですか? 筋力ですか? バランスとかですか?


石川:ずっと追及してきて、構造上の問題もあるんで、半月板なんかは取っちゃえばなくなっちゃうし、痛みが出るのは当たり前なんだけど、より体をこう、ケガをしないというよりは、痛みの出ないような動かし方をするというか。それは無理な動かし方ではなくて、体が持っている本来の能力を引き出させるというか。どこかしらクセがあったりとか、自分はストライドが広い中でプレーすることが多くて、そういうものをやめるのも自分ではなくなってしまう怖さがあったから、それもできるけど、他のところでそこを補うという。経験という部分でのやりくりが、楽しかったのもあるし、こんなに自分と向き合ってやって来た期間はなかったなって。ずっと向き合ってきたんですけど、最後の最後に大きな壁ができて、そこを乗り越えるための自分への期待。色々な気持ちの中でリハビリをしていました。


岩政:そこも含めてやり切ったという感じですね。


石川:あとは去年のFC東京で言ったら、内部でもそうですけど、外から見ていても、メンバーがいても勝てないという。自分なりの原因だったり、そういう原因ひっくるめた上で、クラブコミュニケーター(以下CC)という形で就任させてもらいましたけど、コミュニケーションを図りながら、自分が覚悟を持ってプレーする。その覚悟は自分だけじゃなくて、周りにも伝えて、周りの選手の覚悟も聞いて、そこで信頼関係が生まれて、その中でチームが勝ちたいという思いがあるんだったら、お互いに厳しいことを求め合っても何の問題もないし、勝つためだったら当たり前でしょっていう。自分がプレーするためだったらそうするし、プレーする中で勝つというのが最終的な目標だから、その姿をどうにかして見せたかった。それはピッチに立つ前の段階からそれを示したかったというのがあるので。


岩政:東京に何年間ですか?


石川:16年間。2002年からなんで。まあ横浜F・マリノスの印象がみんな強かった。多分そういうイメージを持たれない方も今はいると思うんですけど、でもそれだけ自分がFC東京に尽くしてきたという思いがあるし、チームの顔として自分はプレーしたいと思って、プレーできない時でも「こういう選手がいるから安心だ、安全だ」という存在を目指してきたし。ただ最後、プレーで結果としてその1年間を通じて繋げることができなかったというのは、自分の中でも悔しかったし責任も感じましたね。


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岩政:なるほど。そこのやはり、16年間という期間の中で、FC東京でいうと、昨年もそうでしたけど選手が揃っている中でなかなか勝てないというのがずっとあって、その中で石川さんが見ている課題というのが、そこにアプローチする自分の仮説の中で、まずコミュニケーターというところに入ってみて、クラブ内、クラブ外を繋げながら、それが点になっていくという一つの仮説があった。


石川:そう。それをなんか、自分が引退するまで、自分が12月3日、最後J3の試合に出る時まで考えていなくて。自分がこれからどうするのかと。考えるべきじゃないと思ったし、とにかくピッチに立ってやり切る。ただ、それだけ早く引退を決めたということは、次があるんじゃないかという話も色々聞いたりしたんですけど、全くそういうのはなくて、全くまっさらな状態で。とにかくもうやり切った。で、何が見えるかなって振り返った時に、「このクラブは、もっともっと繋がり続ける必要があるな」っていう。それをきっかけとして生み出せるのは自分かなっていう。そこで初めて社長に伝えて、そういう意見を取り入れていただいて、こういう形で就任させていただいきました。


岩政:今こう実際に、まず手を付けたいなということは? まず見たいという感じですか?


石川:もう見て学んで。自分はやっぱり現場のことしか知らないので、クラブを作って行くうえでは色々な方々が支えてくれているし、中でも仕事をしているし。やっぱり自分が伝えようとするのであれば、その立場の方の気持ちだったり、思いを知らなきゃいけないし、じゃあ何でそこで違いが生まれるのかっていう部分は、お互いの気持ちを理解していないと通じない部分があるので、そこを自分がきっかけとして繋げながら。本来ならばそういう人がいなくても成り立つ、まあ成り立つんでしょうけど、ただ鹿島アントラーズのように、そういう立場でいなくても強いクラブを作れるという強さもあるし、だからそういうきっかけに自分の中でしたい。あとはやっぱり学びたい。鹿島の良さであり、他のクラブの良さも取り入れたいし、だからとにかく貪欲に、そこは自分が学びながら、積極的に行動しながら、自分の信念と、本性に従って動いてみたい。


岩政:引退して少し時間が経つ中で、やり切ったという思いの中だと、美しい思い出のほうが多い、強いですか?


石川:いや、美しくはないかな(笑)。でも、それが自分らしい生き方だったと思うし、自分の生き様としては、何か色々なことが、例えば自分の中ではケガが多くて、ケガのたびに「タイミング悪くケガしちゃったね」とか言われて、自分の思いを汲んでくれる人も多いんですけど、自分の中ではケガをしない選手がやっぱりトップの選手だし、どんな状況、どんな監督の下でも出続けるのが一番の選手で、ただ自分の中で、ケガをしてそれを乗り越えようとするパワーがとてつもなくあるなっていう。それは例えばケガだけじゃなくて試合に出られないとか、リバウンドメンタリティーじゃないけど、そういう苦しい時にいかに自分らしくいられるかという、そこがサッカー人生の中での一つのテーマだったかなって。それを、みんながみんな持ってということじゃなくて、そういう選手がいる、自分が持っているものを生き様として常に出せる。それが別にカッコイイとかじゃなくて、それが当たり前だよっていうのを選手にも伝えたいし。それを包み隠せなかったから。自分は不器用だったと思うし。


岩政:一方で思い返して、「あの思い出はよかったな」って思い返すことって?


石川:みんなが思うのは、ゴールを取っていた2009年のシーズン(24試合15得点)は、あの時は周りから見れば、「何が起こったの?」ってみんな多分。


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岩政:すごかったじゃん。試合やれば、(シュートを)打てば入るっていう感じだった。


石川:という感じで思われていたんだけど、自分の中では2002年にFC東京に来て、原(博実)さんの攻撃的なサッカーで、ウイングとしてプレーして、その中で自分の中で少し物足りないな、クラブとしても物足りないな、しっかりボールをキープしてつなぐことができて、迫力ある攻撃もできるし守備もできるという考えに自分もなって、クラブもそういう監督を呼んできたし、チャレンジもしたんだけど、自分の中で城福(浩)さんとの出会いで自分が求めていたこととクラブが求めていたこと、なおかつ周りの選手たち、攻撃の形を作る選手たちの中でイメージが一致したというか。そういうことがあって積み重ねがあったからこそ自分はあのプレーができたと思っているし、何かそういう繋がりというか継続というか、変化しながら進化していくことが形として生まれたのが2009年でした。


岩政:自分の中で柔軟性を持って取り組めた。


石川:それができたし、求められていたし自分も求めたし。すべてがそういう形で一致したというか。


岩政:あの時シュートをバンバン決めていて、すげースパンスパン力を抜いて蹴っていたじゃないですか。あれって自分で気づいたものってあったんですか?


石川:まずはシュートを打つ前までにパワーを残しておくということで。だいたい全力でプレーしてプレーしていると、最後のところで力がなくなっていて、集中が切れちゃってシュートを打った結果、正確なシュートが打てないみたいな。それだったら、自分のシュートから逆算して、周りにうまく使ってもらいながらとか関係性を築きながら、最後は自分が仕留めるよっていう。そこの関係性は自分だけじゃなく周りにも求めたし、そういうものが形になった。


岩政:そこまでの形を作って、石川さんとしてはフィニッシャーに変わっていったと。


石川:そう。そのために、あの時FWで平山(相太/現ベガルタ仙台)が出ていた時は、セカンドストライカー的にちょっと落ちてきてくれて、ボールキープしてくれてそのスペースを使うとか、お互いの関係性をみんなが理解した上でプレーできていたかなって思いますけど。


岩政:そういう経験も含めてさっきの「繋げる」というフレーズが出てくる。


石川:そう。さすがです(笑)。それなんですよ結局。途切れたくないし、でもそういうのって不思議で、自分がそういう信念を持ってやっていると、色々なものが繋がってくる。だから今回、自分がこういう形で思ったのも、今までの繋がりがここでそういう判断をさせたし、多分この判断がきっと今後につながると思うし、繋げたいと思っているんで、そこは自分の中で湧いてくる思いに正直に従って、言葉にして伝えてっていう。


岩政:これからのことは、遠くのことというより繋がっているものをどんどんやっていきたいという感じですか? それとも一番遠くのところも見ているんですか?


石川:今まで見ていたけど、結局なかなかうまくいかないことが多くて、それすら考えるのが自分の中でちょっと難しくなったというか。でも目の前のことをしっかりクリアして積み上げたら、こういうものが待っているよっていうのがいくつも見えたから。多分感覚的には(岩政と)似ているんじゃないかっていう。あまり先のことというよりは、目の前のことを積み上げて行く中で、やって来たことがすごいしっかりとして、目の前のことがクリアできるっていう、多分スタンスも一緒だし考え方も一緒なんじゃないかって少し思ってますけど。


岩政:どこに繋がっていくか、楽しみにしています。


石川:楽しみですよ。



●鈴木隆行が自身のサッカー人生を振り返る「W杯のゴールは思い出しもしない」


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大杉:まずは石川さん、岩政さんにうかがいたいんですが、現役時代の鈴木さんはどんな選手でしたか?


石川:“仕事人”ですよね。あとは“武士”のイメージが強いかな。あまり多くを語らないけど仕事を果たす。カッコイイですよね。多分女性も憧れる存在だと思うんですけど、ただそういうイメージがある隆行さんが(引退試合後の挨拶で)涙を流しているのを見ると、グッときますね。自分も最近、引退を決めたので。


岩政:僕はもう(鹿島アントラーズに)入った時にエースでしたし、カッコよくて。でも人間味がたまに垣間見えるというか、そのへんが本当についていきたくなる先輩という印象ですね。


大杉:鈴木さん、ご自身はどんなプレーヤーだと?


鈴木:僕は、相手のDFにすごく嫌われるような選手になろうとずっと思っていましたね。うまさがないのは重々分かっていたので、とにかく嫌がることを常にし続けるという選手を現役時代はしていました。


岩政:鈴木さんと言えば2002年日韓ワールドカップのあのゴール(ベルギー戦の同点ゴール)だと思うんですけど……。


鈴木:そこからかよ(笑)。そこから入るの?


岩政:いや、時間が過ぎてなくなる前に聞いておこうと。ああいうゴールの感触って、ずっとあるものですか?


鈴木:いや、もうないね。正直、思い出しもしない。W杯の時期になってくると、時々あのVTRが出るんだけど、「ああ、そういえばW杯出てたんだ」って思うもん。過去のこととか全く思い返さないし、自分がプレーしていたビデオだったりとか、DVDとか、1本も持っていない。全く興味ない。


大杉:あの試合よかったな、とかもないんですか?


鈴木:ないね、全く。だからよく聞かれるんだけど、本当に何の記憶もない(笑)。


岩政:そうですか。あのゴール僕すごい印象的で、僕ら(岩政と石川)アテネに向けた五輪代表の時にいつもあのゴールの話が出ていたんですよ。鈴木隆行さんのゴール映像を流して、あれって得点が決まったのってほんの数センチ(つま先の数センチで触って決めたゴール)だったじゃないですか。「その数センチのためにお前ら4年間努力できるのか?」って。


石川:(山本)昌邦さんね。


岩政:そう、当時五輪代表監督だった昌邦さんがずっと話をされていて、僕らアテネ世代はそれを聞いてずっと育ったというのがあるので、すごく強烈なんですよね。リアルタイムで。


大杉:鈴木さんよりお二人のほうがあのシーンを見ているかもしれない。


岩政・石川:そうですね、それは間違いない(笑)。


岩政:あれ、よく覚えてるでしょ?


石川:よく覚えてる。あのつま先に触る感覚ってどういう感じだったのかなって。でもそこはやっぱり無心というか、それが隆行さんのプレースタイルというか生き様というか。


鈴木:そうだね、あの時はサッカーをよく分かっていなかったというのもあるけど、とにかくガムシャラにやるだけ、それだけが唯一の武器だったから。


岩政:その感覚って、プロに入る前は、鈴木さんぐらいの才能だったらもちろん周りよりうまかったですよね?


鈴木:まあ、プロに入る前はもちろんそうなんだけど、もう入った時に、鹿島アントラーズに入ってしまったんで、入った時にスタメンが日本代表とブラジル代表しかいなかった。それが普通だと思っていて、正直「こんなに差があるのか」ってずっとショックを受けていたよ。「こんなの絶対プロではやっていけない」って最初は思って。


岩政:そこから最終的に「俺の生きる道はそこしかない」って変えていったっていうことですか?


鈴木:いやまあ、とにかく、どうしていいか分からないけど、ガムシャラにやっていくしかないって。解決方法は分からない。生き抜く方法は見つけられない。考えられないし、とにかくガムシャラにやっていく。手を抜いたらダメだということだけは分かっていたから、若い頃はそういう状況だったよね。


岩政:あのゴールで世界って変わりました?


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鈴木:正直変わった。自分の中では。世界を目指そう、世界に出ていこう、ヨーロッパに出ていこうなんて、それほど強い気持ちもなかったけど、あそこで点を取って、取ってというよりも、(W杯に)出たことによって、このままじゃ絶対に上に上がっていけない、代表でも活躍できない、W杯でも活躍できない。ヨーロッパに出て行って、トップのそういう選手たちの中で生き抜いていかないと無理だなって直感して。考え方が変わったので、それはよかった。


大杉:今も海外に行く選手も多いですが、海外でプレーするのは、やるべきだなって思いますか?


鈴木:思いますね。若ければ若いほどいいと思います。正直、サッカーのトップのレベルってヨーロッパじゃないですか。そこにうまい選手も集まってきているし、その中で活躍できないと、当然代表でも活躍できないし、W杯でも結果を出せない。であるならば、やっぱり早い段階でそこに行かないと、なかなか難しいと僕は思います。色々言われていますが、本当に世界を目指すなら、若い頃に行かないと、戦えるメンタルにもならない。日本でいくら頑張っても、成長できない部分は多分あると思うんで。Jリーグが頑張ってレベルを上げていくのは当然なんだけど、今の時点では仕方がないですよね。代表クラスに入る選手ならどんどん出て行ったほうがいいかなと思います。


岩政:キャリアの前半部分は色々なところに飛び回るように挑戦されて、そこから後半部分ではアメリカに渡ったり、震災などもあって水戸ホーリーホックで長くやられて、チームを引っ張る存在になっていきましたが、そのあたりで自分のサッカー観は変わりましたか?


鈴木:だいぶ変わっていったところだと思います。サッカーだけじゃなく人間的にも変わっていこうと強く思っていた時期だから。昔だったらサッカーだけをやっていればいいんだって思っていたけど、30歳をすぎたぐらいからそれじゃダメだと思って。それで終わってしまったらつまらない人生になってしまうかなと思って。自分の考え方をどんどん変えていこうと。例えばコミュニケーションをしっかり取るようにしようとか、他の選手に気を使ったりとかはどんどん変えていった。


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岩政:プロに入った時もそうですけど、自分でどんどん変えていこうとしている方なんですね。


鈴木:そうですね。常に成長させたいというのは今も思っているし、死ぬまでそうしていきたい。死ぬまで成長、挑戦、勉強していきたいという欲求はすごく強いです。


大杉:ツイッターでは「鈴木選手がいた頃の代表はコミュニケーション不足と言われていましたね。どう克服しましたか?」と来ています。コミュニケーション不足だったんですか?


鈴木:いや、仲はめちゃめちゃ良かったです。その質問は選手同士についてですかね?僕自身がですかね?僕はシャットアウトしていましたから。マスコミの方には申し訳ないですけど。


石川:バスに乗っている時とかも、横にいるのに話し掛けられなかったですもん。多分覚えてないと思うんですけど、「いや、ちょっと声かけたいけどな……」って雰囲気が出ていて。


大杉:先日13日に水戸で引退試合が行われました。中村俊輔選手なども参加しましたが、すごく点の取り合いになった試合でしたよね。


鈴木:引退試合の割にはたくさん点が入って、僕自身はすごくよかったと思います。お客さんにもたくさん喜んでいただけたんで。


 


 1月26日(金)21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、Jリーグキャンプ情報やトライアウト特集、2018女子サッカー界の展望などを放送する予定となっている。

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