UEFA CHAMPIONS LEAGUE

決勝 ユベントス×レアルマドリード 6/3(土)現地から生中継!

みどころ

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最も魅力的なカードがパリサンジェルマン対バルセロナだろう。ウナイ エメリ監督率いるパリサンジェルマンは、監督の性格を反映して非常に堅牢なカウンターチーム。[4-3-3]の中盤はモッタ、クリホビアク、ベラッティと攻撃よりも守備が得意なMFで構成されている上に、3トップの左側にはやはり肉体派のマテュイディが入る。小柄なテクニシャンが多いバルセロナを運動量のあるフィジカルな壁で跳ね返し、ルーカスとカバーニのスピードと強さで相手ゴールに迫る。「力」対「技」の構図で、エメリ監督は中盤を省略したロングボールの多用も辞さないだろう。パリサンジェルマンはこうしたシンプルなサッカーで過去にもバルセロナを苦しめて来たのである。
バルセロナはすべてがメッシに懸かっている。今シーズンの彼は消えることも多かった1年前、2年前の彼とは違う。ドリブルのキレ、FKの精度、スルーパスの鋭さを取り戻しただけでなく、闘争心がアップし意欲的にリーダーとしてバルセロナの攻撃を引っ張っている。パリサンジェルマンの守備組織はバルセロナを止められるかもしれないが、メッシは止められない。彼が天才の閃きを見せてネイマールやスアレスを動かせばエメリ監督は嘆くしかない。

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バイエルン対アーセナルも好カードだ。グアルディオラからバトンを受け継いだバイエルンのアンチェロッティ監督は、アラバを左SBにラームを右SBにキミッヒをボランチに戻し3バックを捨てて伝統的な[4-4-2]を採用している。選手の特徴が最も生きるポジションでのびのび力を発揮させようという考え方が良く出ている。この“適材適所”という発想はベンゲル監督のアーセナルにも通じる。補強担当でもある彼はお馴染みの[4-2-3-1]に適したラムジー、エジル、サンチェスらを獲得・発掘して配している。アーセナルのサッカーが常に変わらないように感じるのは、ベンゲルのサッカー観が変わっていないから。そういう意味ではこの顔合わせは最も戦術的でない戦いであって、選手のクオリティの差が正直に出るという点ではバイエルンがやや有利ではないか。

対照的にセビージャ対レスターは決勝ラウンド有数の戦術的な試合になるだろう。セビージャが3バック、4バックを変幻自在に使い分けるのに対してレスターは[4-4-2]の一本槍で真っ向勝負。レスターのラニエリ監督はボールを譲って相手のミスを待ちカウンターを狙う、セビージャのサンパオリ監督はそのプレゼントを喜んで受け取り、ボールを独占して相手に攻撃の機会すら与えない腹づもりだ。ポゼッション対カウンターという構図の中で、ビトロ、エンゾンジ、ナスリ、バスケスといった曲者たちが相手を煙に巻くのか、それとも縦に速いバーディ、岡崎 慎司、オルブライトン、マフレズが蜂の一刺しをするのか。

意外に接戦となりそうなのが、レアルマドリード対ナポリ、ポルト対ユベントス、レバークーゼン対アトレティコマドリードだ。
ナポリはセリアAの伝統カテナチオの破壊者である。大黒柱ハムシク、ジョルジーニョ、アラン、カジェホン、インシーニェとテクニシャンをそろえたチームは後ろからでも果敢にパスを繋いでくる。システムが[4-3-3]にも[4-4-2]にも[4-5-1]にも見えるのは、ボールの周りに人を集めるタイプの攻守で並びは流動的にならざるを得ないからだ。一番の注目はCFのメルテンス。彼の本職はFWでなく攻撃的MFだから、グアルディオラ時代のバルセロナのメッシと同じ“偽CF”の役割を与えられていることになる。こう考えると、レアルマドリードとの試合は対バルセロナのクラシコを想わせるものになりそう。モドリッチ、ベイル、カルバハル、マルセロとケガ人が続出しているレアルマドリードは決して油断ならない相手である。

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ポルトもナポリ同様のポゼッションチームで、ボール支配で主導権を握ろうとする点ではユベントスも同じ。よってポゼッション対ポゼッションの構図なのだが、大きく異なる点がある。それがユベントスが4バックと3バックを使い分けることと、それを可能にする選手層の厚さ。イグアインとディバラの2トップが強力過ぎてマンジュキッチがベンチに座らなければならない、クアドラードとダニ アウベスが1つのポジションを争うというハイレベルさはさすがに優勝候補だ。ただし、ポルトにはアンドレ シウバ、オリベル トーレス、ダニーロ ペレイラら好選手がそろっており先発の11対11では力の差はそこまで大きくない。

アトレティコマドリードとレバークーゼンの顔合わせはフィジカルな戦いになるはずだ。レバークーゼンの特徴は[4-4-2]で走力と強さと高さのある典型的なドイツスタイル。ポイント、ポイントには左SBウェンデウ、右SBヘンリヒス、右MFブラント、セカンドトップのハカン チャルハノール、FWハビエル エルナンデスとタレントを配している。今シーズンシメオネ監督のチームはガメロとコケが不振でカラスコとサウールに波があり得点はグリーズマンに頼りっぱなし、定評があった守備もベテランのゴディンやフィリペ ルイスにも凡ミスが出ている。チームは新年に入って下降線を描いているので、レバークーゼンにも大いにチャンスがあると見る。
ベンフィカ対ドルトムントとマンチェスターC対モナコは力の差があり、ドルトムントとマンチェスターCの優位は動かない。ただ、この2試合には面白い注目点がある。ドルトムントのトゥヘル監督とマンチェスターCのグアルディオラ監督は食事をともにする仲であり、ともにフォーメーションを変化させる高度なポゼッションサッカーを目指している。その完成度がいかほどであるのかは、彼らが優勝候補となり得るかどうかを決めるだろう。ベンフィカのサルビオ、ドルトムントのロイス、シュールレ、オバメヤン、デンベレ、バイグル、マンチェスターCのシルバ、デブライネ、アグエロ、モナコのファルカオ、ジョアン モウティーニョといったタレントに注目するのも忘れずに。

文=木村浩嗣

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