特集インタビュー&コラム|#サッカーが待ちきれない「【マイベストゲーム5選 #2】セレッソ大阪を追い8年目。昇格、優勝…池田愛恵里が選んだ5試合とは?」

特集インタビュー~サッカーが待ちきれない人たち~
インタビュー&コラム -サッカーが待ちきれない人たちへ-2020/05/28
【マイベストゲーム5選 #2】セレッソ大阪を追い8年目。昇格、優勝…池田愛恵里が選んだ5試合とは?

“サッカーが待ちきれない”人たちに自身の記憶に強く刻まれている忘れられない試合や、サッカー愛に溢れる方々にその思いを語っていただく特別インタビュー企画。今回は実況、解説、関係者が選ぶ「マイベストゲーム5選」の第2回。グラビアアイドルからセレッソ大阪のピッチレポーターへと180度の転身を果たした池田愛恵里さんに、思い出深い5試合をランキング形式で振り返っていただきます。若くしてこの世界に入り、今シーズンで8年目を迎える彼女が選ぶベストゲームとは?(取材・構成:小田尚史)


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【5位】2019年 J1第23節 セレッソ大阪 〇2-1 横浜F・マリノス


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とても悩んだのですが、5位はサポーター目線で選びました。この試合はお客さんとして観に行ったんです。座ったのはメインスタンドの一番前。選手がアップするところや、ベンチのすぐ前でした。いつもはリポーターとしてピッチの近くで見ているので、試合中は背中越しの歓声しか聞こえません。でも、スタンドではひとつひとつのプレーに反応し、盛り上がるサポーターさんの様子が分かる。


私も「うわ、奥埜選手、決めた!」とひとりのファンとして見ていました(笑)。周りの人とハイタッチもしたり。リポーターの時は緊張もしているし、中立の立場なので、応援という感じではないのですが、この試合は心の底からセレッソを応援したので、むっちゃテンション上がりました。


試合は奥埜(博亮)選手が前半に先制点を決めた後、後半は攻め込まれて冷や冷やする展開。いったん追いつかれて、また奥埜選手が決めて勝ち越すという試合展開もドキドキしました。あの試合は暑かっただけではなく、天皇杯4回戦・レノファ山口戦から中2日でのアウェイ連戦で、選手もコンディションが大変な中、最後まで走り切って勝ったことも凄かった!


試合後は足をつる選手もいっぱいいて、“ザ・ハードワーク”みたいな試合で、熱かったです。ピッチ状態もあまり良くなかったので、ユニフォームもドロドロになって…。試合後、2点を決めた奥埜選手がゴール裏のサポーターに挨拶した後、メインスタンドの前を通ったんですけど、その時もドロドロで、その姿に心を掴まれました。


【4位】2018年 J1第32節 セレッソ大阪 〇2-1 川崎フロンターレ


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2018年、ヤンマースタジアム長居でフロンターレがリーグ優勝を決めた試合です。この試合は、リポーターとして選びました。


その前の年、セレッソが優勝したルヴァンカップのクラブ公式インタビューで、優勝した選手に話を聞く仕事はさせてもらったのですが、優勝インタビューをJリーグの公式映像でもやってみたかったんです。


この試合を担当することが決まってからは、「もしかして、ここで優勝が決まる可能性もある?」って、試合の少し前からそわそわし始めて(笑)。そうしたら、前節が終わった時点で、フロンターレの優勝がこの試合に懸かることになって。


勝てば文句なしで優勝ですが、負けても2位の広島の結果次第で優勝が決まる、複雑な条件でした。勝って優勝ならインタビューしやすいですけど、「負けて優勝が決まる状況になったら、どう聞けばいいんやろう?」と考えたら、前の日は寝られなかったんですよ!
試合は、セレッソが先制して、家長(昭博)選手が最後にPKを決めて、フロンターレが同点に追い付きました。その時点で、“土壇場でのゴールで引き分けて優勝”という、また違うパターンになり、この形もフロンターレとしては盛り上がるなと思っていたら、試合終了間際に山村(和也)選手が決めて、セレッソが勝ち越しました。インタビューの想定もし始めていたので、「えぇっ!」ていう(笑)。あの瞬間は忘れもしないです。


そうして試合の中でいろいろ状況が変わった中で、フロンターレが負けて優勝が決まることになったんですけど、中継では谷口(彰悟)選手にインタビューしました。「何て答えてくれるかな?」と思っていたら、「勝って決められたら一番良かったけど、二連覇を達成できたことは嬉しい」と笑顔で喋って下さったので、こっちとしても良かったなと。


この試合、フロンターレは、負けたけど優勝して笑顔で、セレッソは目の前で優勝を見ることになり複雑そうでしたけど勝ったことは良かった、という感じで。あまりない空気だなと。いろんな意味で貴重な体験で、とても印象に残っています。この試合を見て、セレッソにもリーグ優勝して欲しいなと改めて思いました。


【3位】2015年 J1昇格プレーオフ決勝 セレッソ大阪 △1-1 アビスパ福岡


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この試合は外せないですね。自分のこと以外で、あんなに悔しかったことはないです。私にとって2015年が初めてのJ2だったのですが、想像以上に苦しい、厳しい1年でした。


あの試合は、スカパー!で、ダブルリポートだったんです。私はセレッソの情報だけを伝えることに専念できて、昇格したらセレッソの選手にインタビューする予定でした。普段は中立の立場でリポートするのですが、この試合は、リポーターとしても、サポーターとしても「セレッソ、勝て!」と思ってリポートしていました。


玉田(圭司)選手が先制点を決めた時、「コレは行ける!」と思いました。ゴールの瞬間、セレッソのゴール裏からは悲鳴というか、雄叫びのような感じで、とにかく凄かったです。雰囲気が一気に変わって、「流れが来たな」と。ベンチにはシャケさん(酒本憲幸)をはじめチームを支えてきたベテランの選手もいて、彼らが「よし、行ける、行けるぞ!」と盛り上げていて。その姿を見て、少し泣きそうになっていました(笑)。


その状態で追いつかれてしまったので、落差が激しくて…。試合後、福岡の選手のインタビューが音声で聞こえてくるじゃないですか。「セレッソの様子はどうですか?」と実況の方に振られて、ゴール裏の方に行って、必死に泣くのを我慢しながらリポートしました。中継が終わった瞬間、ドバドバ涙が出てきて(笑)。


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玉田選手がコーナーフラッグのところで三角座りして、しばらく立ち上がれなかったじゃないですか。あの時、私、後ろにいたんですよ。その姿を見て、何とも言えない気持ちになりました。関口(訓充)選手も泣いていましたね。他の選手も、もちろん悔しい思いをしていたと思いますが、目に見えて悔しそうだったのがあの二人で…。


この年から新しく入った選手なのに、誰よりも悔しがっている姿を見たら、「絶対、セレッソを昇格させる」と強い覚悟を決めて戦ってくれていたんだなと、終わってから改めて感じて…。今でも、その姿を思い出すと泣けてきます。


【2位】2016年 J1昇格プレーオフ決勝 セレッソ大阪 〇1-0 ファジアーノ岡山


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その福岡戦があっての、この試合ですよ! 翌年の、2016年のJ1昇格プレーオフ決勝です。


「今年こそ!」と昇格を目指した中で、再びプレーオフ決勝まで進むことができました。昇格が懸かったシチュエーションに加えて、この日は雨がザーザー降っていて、空気感、スタジアムの景色を含めて、むちゃくちゃ印象的でした。初めて味わう感じで、どこか違う世界にいるような感覚だったことが忘れられないです。


試合は、清原(翔平)選手が決めてセレッソが先制して、1-0で勝ったんですけど、昇格が決まった瞬間は、昨季の悔しい分もあったので、むっちゃ嬉しかったです!試合前、「昇格が決まったら、マイクを持ってピッチに入っていいから」とディレクターさんに言われていて。「歩いている選手を捕まえて、自由に聞いて下さい」と。それを聞いて、「絶対、このインタビューやりたい!」と思ったので、嬉しかったですね。


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試合終了してすぐのヒーローインタビューは(山口)蛍選手だったんですけど、泣いた後やったので、目が赤かったんです。この1年、いろんな思いを持ちながら戦ってきたんやなと考えたら、その姿を見て、グッときました。


個人的な話なんですけど、山口選手とは同い歳で、だからこそ尊敬している部分もあって。同い歳やのに、日本代表にも選ばれて活躍して、海外にもチャレンジして、セレッソではキャプテンで。「この人はすごいな」と思っていたので。嬉し泣きだけではない、いろいろな想いが込められた涙だったんだろうなと思いました。


選手と一緒に周回しながらピッチの中で話を聞いたんですけど、スタンドから選手に送られた声援もよく聞こえて。「ありがとう!」とか「よう、頑張った!」とか。選手ってこういう声援を受けているんやなと、テンションが上がりました。雨が降っていたことも相まって、あの光景は忘れられないですね。涙と雨で、眉毛が残っていないくらいメイクが落ちたんですけど(笑)。


決勝点を決めたのが、清原選手というのも良かったですよね。セレッソを救ったヒーローです。どこでプレーしていても、あの試合のヒーローです。


【1位】2017年 ルヴァンカップ決勝 セレッソ大阪 〇2-0 川崎フロンターレ


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これはもう、説明不要ですね(笑)。さっきまでのプレーオフを除くと、決勝という舞台が私自身も初めてで。


埼玉スタジアムも、人生で初めて行ったんですよ! テレビで何度も見ていたので、それだけで興奮しました。試合は観客席で見ていたんですけど、試合が終わって、セレッソが勝ったら、クラブのTwitterの生配信で、選手全員にインタビューする仕事も頂いていたんです。


それまで、「リポーターとして、やってみたいことは何ですか?」と聞かれた時、ずっと「優勝した時に、選手にインタビューすることです」と言い続けていたので、その夢を叶えてもらいました。


ソウザ選手が2点目を決めてタイトルを決定付けた時のセレッソサポーターの湧き方は、今まで感じたことがないボリュームでした。私なんかはまだ5年目でしたけど、昔からずっと応援していたサポーターさんの嬉し泣きを見た時はグッときました。あんな空間は味わったことがなかった。


表彰されている選手の顔も、めっちゃ嬉しそうで。喜んでいる姿を見ていると、心の底から、報われて良かったなと。そんな選手を見ながら、私自身、ニヤニヤしてしまって。「セレッソのこと、めっちゃ好きなんやな」と思いました。


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試合前日は、誰がメンバーに入るか分からなかったので、一人ひとりのことを考えていました。写真を見ながら、「この選手はこうやって今年を過ごしていたな」とか「この選手はJ2の2年間も頑張っていたな」とか。スタジアムに向かう新幹線の中でも、何を聞こうかイメージトレーニングしていました。


ミックスゾーンでの取材が終わった後、バスに乗る前の選手を引き止めて話を聞いたんですけど、全員からコメントが取れました。リーグ戦は、勝っても次があるじゃないですか。インタビューしていても、なかなか手放しで喜ぶ感じではないんですけど、この試合に関しては、全てを成し遂げた後なので、「やったぜ!」「イェーイ!」みたいな感じで、全員、少年のように嬉しそうで。


成し遂げた選手の表情って、こんな素敵なんやと。杉本(健勇)選手も、試合後のインタビューで叫んでいた「最高!」を、同じテンションでやってくれて(笑)。優勝した時の景色、選手の表情…。スポーツの仕事をさせてもらって本当に良かったなと思った試合でした。何度でも経験したいですね。


●喜怒哀楽がある日々の大切さに気付いた


セレッソのリポーターをやらせてもらって、人生、変わりました。こんな刺激的な毎日はなかったですから。リポーターとしても、いちサッカー好きとしても。そんなJリーグの試合が今はないことが寂しいですが、いろんなことに気付かされました。


試合や中継のリポートがないと、これだけ日常に喜怒哀楽がないんやなと。もちろん、他のお仕事も刺激的で楽しいんですけど、これだけ気持ちがギュッとなったり、興奮したり、泣いたりすることはないので。


再開した時の1試合目は、誰も経験したことがない熱い試合になると思います。選手もサポーターも、みんなが待っていた試合。インタビューも特別なものになるはずです。その日を楽しみに、今できることをやっていきたいと思います。最高の瞬間が来ることを待ちながら、みんなで頑張りましょう!


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