「なぜここでクラマー監督?シャルケの事情と両者の熱い思い」スカパー!ブンデスリーガNEWS

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kicker2022/06/10 20:05
なぜここでクラマー監督?シャルケの事情と両者の熱い思い


 2012/13シーズンのドイツサッカー指導者ライセンスを主席で取得した、フランク・クラマー氏。だがそれからのこの10年間ではむしろ、数多くの辛い経験を重ねる日々を過ごしてきた。取得直後に就任したグロイター・フュルトでは2部降格(終盤9試合のみ)を喫し、翌シーズンではブンデス2部3位で入れ替え戦進出を果たすもハンブルクの前に敗退、そしてその9ヶ月後には再び前任者のマイク・ビュスケンス監督に譲ることになるのだ。

 それから2015/16シーズンでのフォルトゥナ・デュッセルドルフ就任では、クラブ首脳陣から非常に大きな期待感をもって迎えられクラブの再建を託されていたものの、それは比較的早く失望へと変わり冬を待たずして11月には解任。それからクラブシーンより長きに渡り姿を消し、2020/21シーズンの終盤から再び、火消し役としてビーレフェルトへと就任。この時は無事に残留へと導いたものの、またしても1年足らずで今年4月20日に退任。チームはそのまま2部降格を喫した。ここで疑問が浮かぶかもしれない。果たしてシャルケ首脳陣はこれからブンデスリーガ残留という、巨大なミッションを果たすために本当にクラマー監督が適任だと信じているのだろうか?

 50歳となった指揮官を今回2年契約で招聘したことは、多くのシャルケファンからの懐疑的な目を受けることにもなった。だがそれはむしろ当然のことだろう。クラマー監督もこれが自身を奮起させ、残留という挑戦への意気込みを強調している。ではいったい何故、シャルケ首脳陣はクラマー監督に白羽の矢を立てたのか。それは単にフュルト時代にシュレーダーSDやビュスケンス氏らとの繋がりがあっただけというシンプルな事情ではない。

 これから明確な点だけ列記していったとしても、たとえばフリーだったため費用対効果は極めて高く、また早期退任時の経済的リスクがマネジメント可能な範囲に止まるということ。そして他の監督とは異なり、自身のコーチングスタッフをさほど帯同せず現状のコーチ陣を保てたという部分もある。また昇格へと導いたビュスケンス氏の存在が、暗い影を落とすのではなくむしろプラスに働く人物であるということ。そして何より今のシャルケは、数年前の欧州常連組時代とは大きく異なり、人を選べる立場にはあまりないということだ。

 あまりに大きな財政難へと陥っており、その影響は来シーズンのチーム編成にもすでに影を落としている。昇格チームから大幅に入れ替えを余儀なくされ、まずは慣れの時期からブンデス残留という巨大なミッションをスタートしなくてはならない。逆に早期に監督問題が決断したことで、むしろ新監督がそのチーム作りから関われることは好材料である。これまでシャルケ再建に向けて現在の取締役会らは、当初は非常に大胆かつリスキーとみられる決断も勇気をもって下し、ここまでは成功へと導いてきた。これからはブンデスという舞台で、同じくリベンジに燃えるクラマー監督と同じ熱い思いをもって、この巨大なミッションに挑む。
 

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