今年の1月、ドイツU17代表としてプレーしていたバウル・ヴァナーに、ある緊急事態の知らせが届いた。所属するバイエルン・ミュンヘンにてクラスターが発生、トップチームの選手が激減したことで、後半戦初戦となるボルシア・メンヒェングラードバッハ戦に急遽招集されることに。最終的にチームは1−2で敗戦を喫したものの、15分間ブンデスの舞台で初めてプレーした同選手にとっては、決して忘れることのできない日となった。この日クラブ史上最年少デビュー選手となり一躍注目を集め、そして欧州のトップクラブから引く手数多という状況から、最終的にはバイエルン・ミュンヘンとプロ初契約を締結したのである。
ただその後ブンデスリーガでわずか3試合のみの出場にとどまっていたように、決して即レギュラーというポジションを約束されているわけではない。むしろ我慢強く待たなくてはならず、とりわけ優勝が決まったあとでも全く出場の機会が得られなかったことは、その後のU17欧州選手権にて準々決勝フランス代表にPKで敗戦したことも相まって、悔しさを残すデビューシーズンの締めくくりとなったことだろう。果たして来季はいかにして更なる飛躍を遂げるのか?無論、その道は決して容易なものなどではない。キミヒ、ゴレツカ、ムシアラ、加入予定のグラフェンベルフらが控えていることからも、クラブと共に今後の道筋についてしっかりと模索していかなくてはならないだろう。