「ヘルタ・ベルリン:ブンデス史上最大落差での失墜」スカパー!ブンデスリーガNEWS

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kicker2022/05/18 17:05
ヘルタ・ベルリン:ブンデス史上最大落差での失墜


 そこには晴れやかな顔、大きな完成、試合後勝者の記念写真撮影、幸福に満ちたヘルタ・ベルリンの姿がそこにはあった。U19は国内リーグ準決勝でアウグスブルクを破って決勝へと進出。すでにブンデスでのプレー経験もあるアントン・カーデ、ルカ・ヴァールシュレーガー、ユリアン・アイヒベルガーら、「未来はベルリンにある」というスローガンは、確かな1つの事実を示しているかのようだった。

 だがもう1つの事実がその5時間後に訪れる。ヘルタ・ベルリンは3度あったチャンスを逃し、最終的にブンデスリーガ残留への希望はハンブルガーSVとの入れ替え戦へと持ち越されることになったのだ。確かにこの2ヶ月で指揮をとったマガト監督は明らかに修正をはかることができていたとはいえるだろう。チームに方向性と基本的安定性を確保し、ウニオンとのダービー以外ではそれまでの崩壊の流れから戦える姿をみせられるところまではきていた。

 ただ構造的に脆弱なオフェンスとここぞという場面での一貫性、メンタリティの欠如という問題は、ベテラン指揮官でさえも取り除くことはできなかった。ビーレフェルト戦ではダメを押すチャンスを2度も逃し、マインツ戦やドルトムント戦でも確かに残留確定へのチャンスはあったにもかかわらず。逆に土壇場で残留に転じたシュトゥットガルトは、ロスタイムまで最後まで戦いぬきキャプテン遠藤航の劇的なゴールへと繋がったのである。

 マガト監督はまだ残留に向けて有利な立場にありながら繰り返し、降格を意識した発言を行なっていたことについては、そういった心理的に部分について議論の余地があるかもしれない。しかしながら今週に語ったこの言葉は、的をいた発言と言わざるを得ないだろう。「ヘルタは1から作り直さなくてはならない」まさにこれは12ヶ月前に、ヘルタの競技部門取締役へと就任した、フレディ・ボビッチ氏の言葉でもあるのだが。

 2年あまり前にユルゲン・クリンスマン氏が、「ヨーロッパで最もエキサイティングなサッカープロジェクト」と称した、ラース・ヴィンドホルスト氏の投資による『ビッグシティプロジェクト』は、3億7500万ユーロというブンデス史上最高額となる単独民間投資を受けながらも、この1年でボビッチ氏が目にしたその結果のクラブの状況は、肥大化した高額なチーム、投資家とクラブ会長による確執、シュミット取締役やフリードリヒSDの退任、繰り返される監督交代劇と、10年あっても足りないほどの騒動の数々・・・。

 とはいえそれでも、一度も降格圏内に落ちたことのないパル・ダルダイ監督の解任、後任のタイフン・コルクート氏がバランス、スピード、主軸選手擁立のいずれにも欠けたチーム作りを行った上、今冬の獲得の戦力のほどんどが功を奏さないなど、ボビッチ氏が危機を解決するどころかむしろ事態を悪化させたという事実から目を背けることはできない。

 ビッグシティプロジェクトを掲げて以来ヘルタ・ベルリンは、3億7500万ユーロを投じながら2部降格間近という、ブンデス史上類を見ない落差の失墜をこの3年間でみせてきた。特に真逆の戦略で地元密着型を掲げるウニオン・ベルリンが、その3年間でフィッシャー監督の下、ブンデス初残留、初の欧州リーグ出場、そして遂に今季はトップ5入りしてヨーロッパリーグ初出場をも果たした事がより一層、その落差の大きさを痛感させることだろう。
 

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