昨夏にTSGホッフェンハイムが果たしたダヴィド・ラウムの獲得は、まさに大当たりという結果を残した。フュルトの昇格に貢献したばかりの左サイドバックは、その飛躍をホッフェンハイムでも継続し、遂にはドイツ代表に選出されるまでに成長。クラブのトップパフォーマーとして、ここまで13アシストをマークしているところだ。当然ながら他クラブがそれを見逃すようなことはなく、すでに様々な憶測が飛び交っているのだが、先見の明があったホッフェンハイムは昨冬にすでに契約を更新。
「我々は2026年まで延長したばかりなんだ。だから全ての決定権は我々の手に委ねられている」とキッカーに対して語ったローゼンSDは、さらに「ダヴィドの成長は目を見張るものがあり、他クラブも決して見逃すようなことはないだろう。このレベルの選手ではこれからもこういう話題に直面するものだ」とコメント。確かにこの発言をみるかぎりは、少なくともわずか1年での退団の可能性を匂わせるものではない。
しかしながら様々な要因が、ホッフェンハイムへの売却のプレッシャーを高めていく可能性があるということ。例えば現在は欧州リーグ出場権獲得レースから脱落している感があり、ラウムが目指すクラブレベルというところにまで到達する可能性は低い。確かに国際的な評価にはドイツ代表の立ち位置も影響するもので、その点ではホッフェンハイムでの立ち位置にも分があるが、それでも24歳と遅咲きなラウムとしては当然、できる限り早期にトップクラブの移籍を考える可能性もあるだろう。延長からわずか半年での売却は異例だが、それでもコロナ禍による財政面での問題もあり、妥協点は4000万ユーロほどの移籍金額か。それゆえ財力あるプレミアのクラブの名前が候補として浮上する理由でもある。