週末に行われたフランクフルト戦にて、ロスタイム直前に2点差をひっくり返す逆転ゴールが決まった際、ボルシア・ドルトムントのエルリング・ハーランドは得点を決めたマフムード・ダフードを、まるでマーヴェルコミックで巨人が小柄な人間を持ち上げるかのうように抱え挙げ、そしてダフードはそのままチームメイトたちからもみくちゃにされた。「エルリングはまるで、僕をうさぎのようにつかんでね」と、クラブ公式にて振り返ったダフードは、「みんなに息ができないから、起こしてくれってお願いしたんだ」とも明かしている。
意外にも冷静だった理由、それはまたしてもドルトムントは安易に失点を繰り返し、困難な状況へと自らを追い込んでしまったところにある。「苛立ちを覚えたね。自分個人についても、チーム全体という意味でも」とダフード。だがそれでもドルトムントは持ち前のメンタルの強さで、総走行距離123km、スプリント数260を記録するなど、精力的なプレーで試合を巻き返してみせる。「これらは良い数字だよね」と目を細めた、マルコ・ローゼ監督。あとはこれを「継続していく」ということだ。
またエルリング・ハーランドが、同点弾の後に相手DFヒンターエッガーとの口論で警告、さらにロスタイムには相手FWボレとの激しい口論で、不用意に2枚目の警告を受け退場、次戦の出場停止となる可能性さえあった。「私はその場にいなかったから、何も言えない。何事もなくてよかった」とローゼ監督。「サッカーは感情的な競技で、今日はそういう試合だったね」と振り返っている。
それでも巻き返しに成功したとはいえ、こういった試合展開は大きなエネルギー消費量にもつながってしまうもの。3大会のいずれも生き残っているドルトムントにとって、それは大きなテーマだが、それでもローゼ監督は「ハッピーだ」と前向きさを強調。「ハーランドが自分は無得点だったにもかかわらず、試合後にあれほど同僚たちと喜んでいる姿は、見事なものだと思うね。我々はチームであり、彼もその一部だということ」と言葉を続けた。