ブンデスリーガについてコラムを執筆させていただくことになりました、ティモンディというお笑いコンビの身長の低い方。前田と申します。度々、ここで拙い試合のレビューや感想を書いていくので、サッカー好きの皆さんに、少しでもお付き合いいただければと思います。
●25節 ライプツィヒ対フライブルク
ライプツィヒは巨大企業レッドブルの買収から一気にドイツフットボール界に進出してきて、今となってはブンデスリーガの上位を狙うチーム。
一気に金をもったチームっていうのは、嫌われるのが世の常で、ライプツィヒも、一時期は観客が試合を見るのをボイコットしていた時期もあるけれど、強いチームにファンがつくのも世の常。
今となっては、力のあるチームの1つになっている。世界の人たちに翼を授けている大企業の持つチームは、自身に翼を授けてCL圏内を目指せるだろうか。
このライプツィヒの監督は以前シャルケを見ていたテデスコ監督。この監督、同時期に監督就任をしたナーゲルスマンと年齢が2つしか違わないので、テデスコ監督とナーゲルスマン監督は比較されることも多く、非常に心が痛む。
比較されるっていうのは、本当に嫌だよね。テデスコ監督は若手監督の中でも結果を残しているけれど、ナーゲルスマンと比較するのは酷であるし、とても可哀想な話だ。
私たちも同期に東京ホテイソンというコンビがいるのだけれど、彼らはM-1の決勝にも行っていて、同じようなライブに出ていた時には常に彼らの方が面白くて良い成績を残していた。
周りから比較されることも多く、ティモンディも頑張らないとな、としょっちゅう言われていた。
テデスコ監督、気持ちは分かるよ。
バイエルンで首位を走るナーゲルスマンと比較されてしんどい思いをしているテデスコ監督の心境は、同じではないけれど、根の感じる部分は同じものがあるだろう。頑張ってもらいたい。
ここでは愛を込めてテデちゃんと呼ぶことにする。
この試合の如何によっては、テデちゃん率いるライプツィヒがCL圏内にぐっと近づくのだけれど、対するフライブルクは、今季非常に良いチームに仕上がっている。本当にいいチームだ。
失点の数はバイエルンと同じくリーグ最少の26失点。
バイタルエリアでボールを持たせずにコンパクトに守るフライブルクに対して攻め手がないライプツィヒは、ビルドアップ時にいつもカンプルが降りてきてCBを手助けしていたけれど、カンプルが最終ラインで動けないと、チームとしてもなかなか攻撃が活性化されないのも事実。
試合の時間の大半、ライプツィヒがボールを保持していたけれど、危険だと思う攻め筋はほぼ塞いでいた。それくらいフライブルクは堅守で組織された非常に強度の高いチーム。
私は、このような資金をかけずに仕上げたチームが非常に好きだ。
名将、シュトライヒ監督は、勝ち負けに対してよりも、より良いサッカーをすることをこだわっているから、この完成度があるのだろう。
勝ち負けではなく、試合のクオリティをこだわる思想があるらしい。
良い試合をするのが一番で、その結果、負けてしまっても構わないと、1つの筋を持ってフライブルクのサッカーを体現している。これは、本当にすごい。
自分の満足できるワードを言えば、ウケなくてもいいと割り切って芸能界を活動できるだろうか。私は、ウケたいし、ウケなければ当然動揺してしまう。FC前田であれば、今のようなフライブルクの快進撃は実現しなかっただろう。
目の前のウケに対してどうしても目がいってしまう。
試合の方は、やはり堅守からフライブルクが得点を奪い、テデスコ監督も後半からチームに手を加え、なんとか試合終了間際に、堅守のフライブルクから一点を奪う。
結果として、ドローの痛み分けとなった。上位争いの、闘志みなぎる面白い試合だった。後半戦もまだまだある。
これからも、愛すべきテデちゃんと、筋の通ったサッカーをし続けるシュトライヒ監督の手腕に注目しよう。
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前田 裕太(ティモンディ)
1992年8月25日、神奈川県出身。グレープカンパニー所属のお笑い芸人ティモンディのツッコミ担当で、相方は済美高校時代の同級生である高岸宏行。野球のイメージが強いティモンディであるが、前田はサッカーや読書、サウナといった多彩な趣味をもつ。17歳の時にクロップ監督のゲーゲンプレスサッカーがきっかけでドルトムントに夢中になり、今ではドルトムントの試合はほぼ欠かさずチェックしている芸能界屈指のブンデスリーガファン。